麹町ラプソディ
丸の内サラリーマン(ブラック)が日常を五行で切り取るブログ。たまに小説も書きます。
プロフィール

サトイチ

Author:サトイチ
子どものまま大人になった、しがないリーマンのつぶやきです。
当ブログはリンクフリーですので、気軽にペタペタしてください。相互リンクの場合は是非コメント等に一言頂けると助かります。
あと、甘党です。

最近、小説ばっかり書いてますが、そのうち媒体を切り分けることも考えています。ただ、今はとにかく書くことが大事だということで、ひとまずこのまま混合して進めて行きます。



最新記事



リンク

このブログをリンクに追加する



最新コメント



日本ブログ村



最新トラックバック



月別アーカイブ



カテゴリ



検索フォーム



RSSリンクの表示



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



たった一つの擦れ違いだけで。
あの日「ありがとう」の代わりに口から飛び出した「さようなら」は


君の笑顔を曇らせ、僕の心に鋭い痛みを残して行った


君は必死で笑顔をつくりながら、言葉にならない何かを残した


あの日「さようなら」の代わりに口の中に留まった「ありがとう」は


今も行き場を探して彷徨っている




スポンサーサイト

テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

思い出の海をさまよい、闇雲に手を伸ばす。
飲み過ぎて割れそうな頭で考えるのは


ちょっとした後悔と、あの日の記憶


もう戻れないあの場所に


たった一度だけ戻れたなら


ほんの一瞬だけ、戻れたのなら



テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

あなたが僕を誘惑するから。
今悩んでいることは、きっと1年後には取るに足らないものに思えるのだろう。 


昔とても巨大で視野に収まりきらなかった存在は、まるでかつて通った小学校を訪れたときのように、いつの間にか手のひらサイズになっている。 


ただ、だからといってそれが小さな存在だったり、取るに足らないものかというとそうではない。 


そのときそのときの精一杯がそれであり、その結果として今の成長や経験があるのだから、1年後にちっぽけな悩みに思えることでも、真剣に立ち向かうことが重要なんじゃないかと思う。 


だからこそ僕は目の前のシュークリームと真剣に向き合う必要があり、お腹周りの肉と相談して今日の自分を許すべきかどうか精一杯悩まなければならないのである。食べたい。



テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

自己の同一性と世界の連続性。
暗い洗面台の淵に手をかけ、鏡の向こうの自分を見つめる


その姿はおぼろげで、今にも闇と同化しそうなほど曖昧に溶けていく


「お前は誰だ」と私が問う


「お前は誰だ」と奴が問う


私は眉間にしわを寄せ、奴は口元を醜く歪ませる




テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

雷光。
それは一瞬のうちに空を白め、強大な破壊衝動をそのまま音にぶつけながら遠く夜空に降り注ぐ


幼い頃の畏怖の象徴であり、好奇の対象であったそれは


時の経過と共にただうるさいだけの存在となり


やがて何処か遠くの出来事として興味の対象から離れていく


まるで田舎で暮らす父親のように。



続きを読む

テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

追い求めていたもの。
あるところに、とても純粋な目をした少女がいた


少女は早くに両親を亡くしていたが、アルバイトを掛け持ちしながら弟を育て、立派に大学に行かせた


弟が独り立ちしてからは、ボランティアに生き甲斐を見出し、たくさんの人から感謝をされた


人を助け、感謝されるのが生き甲斐だった


そして80歳を過ぎ、多くの人の感謝と悲しみに包まれながら看取られるとき、老女が本当に助けたかったのは自分自身だったことにようやく気がついた




テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

忍び寄る夜霧。
最後の線香花火がその短い一生を終えると、辺りには静寂だけが残った。


もうすぐ蝉の鳴き声も止むだろう。


中学最後の夏休み、またこうしてみんなと集まって花火をできる日が来るのだろうか。


楽しかった時間は波が引くように遠くへ去り、僕達を前へと歩ませる。


つかの間の光は夜の深さを強調し、まぶたの裏にその存在を強調する。




テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

悪癖。
時々ふと世の中を斜に見ている自分がいて

一人じゃ何にも出来ないくせに

人の虚栄心や支配欲求を透かして心の裏側で蔑んでいる

素直な人間でありたいと思いつつ

何度も後悔を繰り返す



テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

零れ落ちたものと、掴んだもの。
届かないと知っていたのなら、手を伸ばさなければ良かったと

頭の中で何度もその場面を繰り返したけれど

傷ついたことがあるということが

誰かの心にそっと傘を差すこともある

誰かの心にふっと柔らかな日差しを向けることもある



テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

殊能将之『ハサミ男』
気が付くと、私は少女の喉元にハサミを突き刺していた

理由などない

次の獲物に狙いを定め、息を殺して少女に迫る

ところが私を待ち受けていたのは、すでに何者かによってハサミを喉に突き刺されたその少女だった

貴方は真相を見抜けるか

―――殊能将之『ハサミ男』――――


(※読めよこの本!! 4 トーナメント参加文章)



テーマ:文学・小説 - ジャンル:小説・文学

風を待った日。
透明な風に身を任せ

ビルとビルの間を縫う

木々のざわめきも、小鳥のさえずりも、色彩さえ通り越して

深い青の中に溶け込んでいく

思い出や悲しみや、感情さえ通り越して



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

平行線。
彼女の手から、小さな果物ナイフが零れ落ちる

鋭い金属音が病室に広がる

「また、落としちゃった。すぐにリンゴ、剥いてあげるから。」

僕にできるのは、ただ静かに見守ることだけだ

リンゴを剥くことではなく、彼女がそれに抗うことが重要なのだから



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

自分の限界を知ることと、追い抜かれることへの恐怖。
日付が変わる頃、電車に揺られ帰宅の途につく

向かいの座席には、四十を過ぎた、髪の毛を無造作に掴んで毟り取られたような男がいびきをかいている

スーツの袖はテカテカと光り、シャツはよれている

昔は「汚いオヤジだな」としか思わなかったのに、「この人も戦っているんだな」と思っている自分に気づく

そして、今度は自分が「汚いオヤジだな」と思われるのだろう



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

欲望の代償。
寄り添うように立つ高層ビルの隙間から

眼下に広がる星を眺め

遥か頭上の煌めきを想う

僕達は便利さを求めるあまり

大切な何かを見失っているのかも知れない



幕間。
春は慰めのひととき

新たな旅立ちを柔らかく包む

陽の光は日々に寄り添い

気まぐれに雨が休息を与える

遠く蝉の鳴き声が、目まぐるしい日々の訪れを告げる




雨に濡れた午後。
あなたと出会うまで、人に心を打ち明けるのが怖かった

あなたと出会えて初めて、自分を表現する喜びを知った

大切なものを失う辛さを知るには、私はあまりにも無知で

あなたを失って初めて、あなたの大切さを知った

色彩は褪せ、音は届かず、私にはより深い孤独だけが残された



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

君がいた夏。
あれから必死に、無我夢中で生きてきたけれど

君と見たあの空に、僕はどれだけ近づけただろう

思い描いた夢や理想に、僕はどれだけ近づけただろう

僕はあそこに、何を置いてきてしまったのだろう

君が隣にいてくれたなら、僕は何をしてあげられただろう



そして夜は開かれた。
「例えば、さ。」

男が口を開くのに合わせ、暖炉から乾いた破裂音が響く。

「このまま夜が明けなければ、世界は幸せなんじゃないかな。誰もが心地よく眠り、明日との連続性を疑うこともない。」

「怖いのね。」女が答える。

暖炉から乾いた破裂音が響き、夜の深さを強調するように、かすかに反響した。



自立と孤独。
「どうしても、行くと言うんだね。」

寄り添う風が、確かめるようにささやく

「辛いとか、苦しいとか、やりがいとか楽しいとかじゃないんだ。」

「ただ、どうしてもそこに行かなくちゃならないんだ。」

風は微笑み、冷ややかな静寂だけが残された。




「夏影」
照らし出す空が夏色に誘われるとき

僕らは意味もなく足を投げ出し

揺れる地平線を追う

雲は遠く手は空を掴み

風の音に身を任せる



「街」
無機質に切り取られた青空には、雲が委縮するようにビルを避けて流れる。

アスファルトの輪郭がコンクリートへと引き継がれ、何かを逃すまいとそれを底に押し留める。

何かを掴むためではなく、何かを逃さぬために。

まるで花弁に誘われた虫のように、捕らわれた灰色たちがそこから逃げ出せずに蠢いている。

時は慌ただしく無情に流れ、そしてそれが無意味だと悟る。