麹町ラプソディ
丸の内サラリーマン(ブラック)が日常を五行で切り取るブログ。たまに小説も書きます。
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サトイチ

Author:サトイチ
子どものまま大人になった、しがないリーマンのつぶやきです。
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赤橙。
過ぎ去った記憶に魔法をかけて


灰色の思い出を緋色に染める


幼き日の失われた憧れとともに


海も空も雲も、すべては煌々と照らし出され


新しい息吹に備えて静かに目を閉じる




ACIDMAN「赤橙」

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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

夕焼けとカラス。
幼子を見守るような、穏やかな一日が暮れていく


日は徐々に短く、空気はどこか秋めいてきた


もうじき来る厳しい冬に備えて、男たちは薪を集め、子どもがそれを手伝う


子どもはいつだって目の前のことに夢中で、父との薪拾いにはしゃいでいた


陽はいつだって昇っては沈み、時の流れはそこに立ち止まることを許してはくれない




カミーユ・コロー「ファルネーゼ公園から見たフォロ・ロマーノ」
カミーユ・コロー「ファルネーゼ公園から見たフォロ・ロマーノ

テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

胡蝶の夢。
コンビニの前で数名の若者がたむろしていた


薄暗い夜、街灯が無軌道な若さを照らし出す


若者はそれぞれの夢を語り合い、互いに負けじと声を張り上げていた


言葉と行動が乖離し、現実感のない言葉が宙を舞う


それはさながら、目を開けたまま見る夢のようだった



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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

アンはフライパンの下にもぐったんだよ。
引っ越しのために押入れを整理していると


小さなテントウムシの形をした時計が出てきた


幼い頃父からもらった数少ないプレゼントであるそれは


今も懸命に時を刻んでいた


今は小さくなってしまったそれは、握りしめるとほのかに暖かかった




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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

それはブーメランのように。
ふと目を閉じると


忘れていた景色が浮かんだ


おぼろげな輪郭は水に浮かぶ波紋のように


いつでも手が届きそうなのに手は空を握りしめた


それは私の人生の終着点であり、原点であった




テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

言葉は通じなくても。
尻尾を振りながら夢中で追いかけた


元気に跳ねる白くて丸い球


ひらひらと舞う蝶


柔らかな陽射しの中で


あなたの温もりの中で



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

また陽は昇る。
明日明日、また明日


今日も無為に時間を過ごした


明日できることは明日やろう


何年経っても繰り返し


明日明日、また明日




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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

昇華。
寝静まった夜を覆う不安は


暖かい陽の光とともに去る


意識の隙間に滑り込むそれは


何かにぶつけることによって目を背ける


それ自体にぶつかることを、必死に避けながら



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

変わらぬ想い。
手と手を合わせると


懐かしい匂いがした


それはいつかの夏の花火のような


通り過ぎ行く時間の匂いだった


あれから大分経つんだね、私は元気です、また来るね



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

泡沫の行方。
何だか難しい言葉を使って


何かをわかったような気になって


すべてを掴んだような気になって


両手いっぱいに抱えたそれは


風が吹くと泡となり消えた



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

思春期。
頭ん中からっぽにして


腹の下から声をぶん投げる


身をよじって本能のままに


魂の形のまま


誰か私の叫びを聞いて



テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

電車にて。
「ねぇねぇ、お父さん、鳥はどうやって飛んでるの?」


「気合」


「じゃあ、飛行機はどうやって飛んでるの?」


「気合」


座席に座って何やら力んでいる男の子を、隣の父親が優しく見守っていた。


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

過去の創造。
精一杯に背伸びした、あの夏の日の記憶は


今ではちょっとした痛みとともに


ほろ苦い思い出として蘇る


何度も擦り切れるまで再生し


「あれがあったから今の自分がある」と正当化することで美しい思い出に変わる



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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

善意の足かせ。
「あの山に登るんだ」と男は言った


ある人は、「危険だからそんなことはやめた方がいい」と言った


またある人は、「他のプランは検討したの?」と言った


「あなたは何のために生きるのですか?」と言う人もいた


男は真面目に考え込み、そのうちにすっかり登る意欲を失った



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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

家族。
ためらいながら差し出した


遠慮がちにさまようこの手を


力強く握ってくれた温もりが


今も胸に残っている


今は冷たくなってしまったその手の分まで



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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学